分数が苦手な子に通分の練習をさせても、なかなか通じないことがあります。多くの場合、止まっているのは通分ではなく、もっと前の「1をいくつに分けたか」の感覚です。どこから復習すればよいかは、この段階の見極めで決まります。
分数の「どこ」でつまずいているか
分数には段階があります。ケーキを等しく分ける場面(等分)、1を3つに分けたうちの1つ(単位分数)、2つの分数のどちらが大きいか(大きさ比べ)、分母をそろえる(通分)。
学校の進度は通分・約分・計算へ進みますが、子どもが止まっているのは、その前の段階であることが珍しくありません。上の段階から順に確認すると、戻る場所が1回で決まります。
戻る順番は4段階
① 等分:「このピザを4人で同じだけ分けて」が図でできるか。ここが怪しい子は、分数を数として扱う前の段階にいます。
② 単位分数:「3分の1がいくつ分で1になる?」に答えられるか。ここが通れば、分数は「1を何個に分けた、そのいくつ分」という見方で扱えます。
③ 大きさ比べ:「3分の1と5分の1はどっちが大きい?」に、図や言葉で答えられるか。分母が大きいほど1つ分は小さくなる、という逆の感覚が入るところです。
④ 通分:ここまで通っていれば、通分は「比べるために同じ大きさの目盛りにそろえる作業」として意味を持ちます。
家で確認できる問い
- 「3分の1って、どれくらい? 絵にしてみて」
- 「3分の1と5分の1、どっちが大きい? なんで?」
- 「この計算、どうやってやったか教えて」
答えが合っているかより、説明できるかを見てください。説明が止まった段階が、戻る場所です。
つまずきやすい3つの場面
- 帯分数と仮分数の行き来:「2と3分の1」を「3分の7」に直す手順だけ覚えていると、意味が抜けて途中で混乱します
- たし算とかけ算で分母の扱いが違う:たし算は分母をそろえ、かけ算はそろえません。手順が似ているぶん、混ざります
- 約分の忘れ:答えは出ているのに減点され、「分数は苦手」という印象だけが残ります
どれも、手順を増やすより、図に戻ると早く整理できます。
復習は1日10分で足ります
戻り学習は量ではなく回数です。1日10分、同じ段階を3日続けて、説明できるようになったら次へ進みます。1週間後にもう一度同じ問いをして、答えられれば定着しています。
どこから戻るかの全体の考え方は、算数・数学のつまずきは、どこから戻る?にまとめています。単元をまたいで止まっている場合は、つまずき診断とオンライン個別指導で範囲を一度整理すると早いです。






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