中学に入って最初の学期で、「数学が急に分からなくなった」という相談が増えます。小学校の算数は問題なかったのに、というご家庭も多いです。
中1で「急に分からなくなる」のはなぜか
中学の数学は、小学校の算数にくらべて抽象の度合いが上がります。数がマイナスに広がり、数字が文字に置き換わり、答えを出す手順が式変形になります。計算力の問題ではなく、扱い方が変わるところでつまずきます。
だから「小学校の計算ドリルをやり直す」だけでは戻らないことが多いのです。
つまずきの場所は3つに分かれる
① 正負の数:マイナスが「数の位置」なのか「引く動き」なのかが混ざると、符号でミスが続きます。
② 文字式:`3a` が「3×a」であること、`a+a=2a` の意味が説明できるか。ここは小学校の「□を使った式」の延長です。
③ 方程式:両辺に同じことをする、という見方。小学校の「逆算」で済ませてきた子は、ここで手順が通じなくなります。
小学校のどこまで戻るか(単元の対応)
いま止まっている所 → 戻って確認する小学校の単元
- 正負の数 → 数直線・大小比べ(4年)
- 文字式 → □を使った式(4年)・式と計算の順序(4〜5年)
- 方程式 → 逆算・割合(5年)・分数の計算(5〜6年)
- 文章題全般 → 割合(5年)・単位量あたり(5年)
学年をまるごと戻す必要はありません。 上の単元を1つずつ、説明できるかだけ確認します。分数と割合は中学でも頻繁に出るので、止まっていれば分数の戻り方・割合の戻り方を先に通してください。
戻らなくていいところ
- 図形の作図・面積の公式(中1の内容で改めて扱う)
- 小数の筆算(電卓的な処理で、つまずきの原因になりにくい)
ここに時間を使うと、肝心の式の扱いに手が回りません。
定期テストまで時間がないとき
戻り学習とテスト対策は分けます。テストまで2週間を切っている場合は、出題範囲の中で説明できる問題を増やすほうが点になります。戻り学習はテスト後に回してかまいません。
家で確認する3つの問い
- 「マイナス3って、どういう意味?」
- 「3a って、どうして 3×a なの?」
- 「この式、どこから手をつけた?」
答えの正しさより、説明できるかを見てください。止まった問いが、戻る入口です。
どこから戻るかの全体の考え方は算数・数学のつまずきは、どこから戻る?にまとめています。範囲の見立てに迷うときは、つまずき診断・オンライン個別指導で一度整理できます。






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