学校を休む日が続くと、多くのご家庭で最初に出てくる不安が「勉強の遅れ」です。ただ、休み始めて間もない時期に勉強を詰めると、家にいることまでつらくなってしまうことがあります。
この記事では、勉強の遅れにどう向き合うかだけを扱います。学校との連絡や、子どもへの接し方については不登校の子どもへの対応にまとめています。
いま不安なのは「遅れ」そのものではないかもしれません
保護者の方の話を聞いていると、不安の中身は「今の単元が分からないこと」より、「このまま進路が閉じてしまうのでは」という先の話であることが多いです。
先の不安と、今日できることは分けて考えます。今日できることは、戻る範囲を決めることと、1日の分量を決めることの2つだけです。
全部をやり直さないと決める
休んだ期間ぶんを全部取り返そうとすると、量が多すぎて続きません。学年をまるごとやり直す必要もありません。
必要なのは、分からなくなった一点まで戻ることです。できる問題まで解き直すと、時間の大半が確認作業になり、子どもは先に疲れます。
どこまで戻るかの決め方
目印は点数ではなく、説明できるかどうかです。
- 「これ、どうやって解いたの?」と聞いて、自分の言葉で説明できる単元 → 戻らなくてよい
- 説明が止まる単元 → そこが戻る場所
算数のように積み上げの強い教科は、この見立てが特に効きます。戻り方の詳細は算数・数学のつまずきは、どこから戻る?にまとめました。
1日の分量は「15分で終わる量」から
再開したばかりの時期は、量より回数です。15分で終わる量から始め、3日続いたら少し増やします。時間で区切ると終わりが見えるので、始めるハードルが下がります。
やった内容より、机に向かえた日を数えるほうが、この時期は役に立ちます。
どこまでやらせるか(小学生の場合の目安)
小学生のお子さんでは、「どこまでやらせてよいのか」という判断がいちばん迷うところです。目安は3つです。
① 量より、始められる形にする1日15分でも、始められた日が続くほうが後で効きます。まとめて2時間より、毎日15分です。
② 体調と生活リズムが先朝起きられない日が続いているときは、勉強の前に生活のリズムです。学習時間を増やしても、身につきません。
③ やらない日を決めておく「今日はやらない」と先に決めた日があると、やる日が動きやすくなります。毎日やる前提にすると、できなかった日が失敗として積み上がります。
学年で言えば、低学年は生活リズムと読み書きの維持まで、高学年は算数の戻り(分数・割合)を中心に、が現実的な線です。ここで無理に量を増やすと、家庭が学校の代わりになってしまい、家が安心できる場所でなくなります。関わり方そのものは不登校の子どもへの対応を参照してください。
学校の宿題・課題との距離の取り方
学校から届く課題が負担になることがあります。全部やる前提で見ると量に圧倒されるため、次の順で整理してください。
- 提出が必要なもの/任意のものを担任に確認する
- 今の学習より前の内容が含まれていれば、そこを優先する
- どうしても手が回らない分は、できなかったことを正直に伝える
伝え方については学校・担任の先生との関わり方も参考になります。
再開のときにつまずきやすいところ
- 教室に戻る日と、勉強を戻す日を同じ日にしない
- 得意だった教科から戻す(成功体験が先)
- 「遅れを取り戻す」という言い方を使わない(追われる感覚が強くなります)
相談できる先
どこまで戻ればよいかの見立ては、家庭だけで決めると迷いやすい部分です。学習面の整理はつまずき診断・オンライン個別指導で、学び方や進路を含む相談は教育相談で受け付けています。

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