「算数が分からない」と言われたとき、多くのご家庭が最初にするのは、前の学年のドリルを買ってくることです。けれど、学年をまるごとやり直すと、できる問題まで解き直すことになり、子どもは先に疲れてしまいます。
戻るのは、分からなくなった一点までで足ります。この記事では、その一点の見つけ方と、戻る範囲の決め方を説明します。
学年をまるごとやり直す必要はありません
算数は積み上げの教科なので、前に戻ること自体は正しい判断です。問題は範囲です。5年生の割合でつまずいた子に、4年生の最初から全部やらせると、ほとんどの時間が「すでにできること」の確認に使われます。
戻る範囲を決めるために見るのは、テストの点数ではなく、どこまでは自分の言葉で説明できるかです。
まず「最後にできた単元」を見つける
さかのぼるときの目印は、点数ではなく説明です。解けた問題でも、理由が言えなければ理解はあいまいです。逆に、間違えていても考え方を説明できるなら、そこは戻る必要がありません。
家で確認できる3つの問い
- 「これ、どうやって解いたの?」
- 「この問題、絵にするとどうなる?」
- 「どこで間違えたと思う?」
3つとも1分で終わります。説明が止まった単元が、戻る目安です。話させる学び方については子どもの理解を深める「話させる」家庭学習法にくわしく書きました。
つまずきには4つの型がある
同じ「分からない」でも、原因は分かれます。
- 読み取り:問題の場面が思い浮かばない。文章題で手が止まる
- 手順:やり方の順番があいまい。途中でどれを使うか迷う
- 計算:手順は分かるが、繰り下がりや約分でミスが出る
- 定着:その日はできるのに、1週間後にできない
型が違えば打ち手も変わります。読み取りなら図にする練習、手順なら書き出す練習、計算なら見直しの習慣、定着なら間隔をあけた復習です。全部を同時にやらないことが大切です。
単元別の戻り方(分数・割合)
つまずきが多いのは、分数と割合です。どちらも「1をどう見るか」が関わるため、公式だけを覚えても解けるようになりません。
- 分数でつまずいている場合 → 分数でつまずく子の戻り方
- 割合でつまずいている場合 → 割合でつまずく子の戻り方
それぞれ、戻る順番と家庭で使える問いをまとめています。
1日の分量は「15分で終わる量」から
戻り学習でいちばん多い失敗は、量を多くしすぎることです。最初は15分で終わる量から始め、3日続いたら少しだけ増やします。時間で区切ると、終わりが見えるぶん続きます。
進め方や環境づくりは子どもが自分から勉強したくなる計画と環境の作り方も参考にしてください。
それでも進まないときは
家庭だけで進めると、どこまで戻るかの判断に迷い、親子とも消耗しがちです。つまずいている箇所を一度整理すると、戻る範囲がはっきりします。
算数・数学のつまずき診断とオンライン個別指導では、どこで止まっているかを確認したうえで、戻る範囲を決めて進めます。






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