不登校の学びを支える視点のイメージ画像

不登校30万人超の時代に考えたい、算数・数学の学びと子どもの特性の生かし方

不登校の子どもに、算数・数学の学びをどう届けるか

きゅうご先生は配信の中で、「不登校30万人」という数字に触れながら、子どもの学び方や特性について考えを語っています。学校に行っていない時間をどのように過ごし、どのような学びにつなげていくのかは、保護者にとって大きなテーマです。

きゅうご先生は、2024年12月2日のライブ配信で、不登校の背景にはさまざまな事情があり、すべての子どもに同じ理由があるわけではないと話しています。学校に行かないことを選んでいる子もいれば、行きたい気持ちはあっても行けない子もいる。その中には、発達障害や学習障害、算数・数学の学びにくさが関係している場合もあるという視点です。

この記事では、きゅうご先生が語った内容をもとに、不登校と算数・数学の苦手さ、そして将来の仕事やお金とのつながりについて整理します。

「算数が苦手」を努力不足だけで考えない

学習のつまずきには、それぞれの特性がある

算数や数学が苦手な子どもに対して、以前は「練習が足りない」「もっと一生懸命勉強すれば身につく」と考えられることがありました。しかし、きゅうご先生は、学習の困難さには脳の機能に関わる問題があることが少しずつ知られるようになってきたと話しています。

教室で30人ほどのクラスを担当していた経験から、学習障害や発達障害といわれる子どもが3人から4人いることもある、と語りました。もちろん、子どもによって困っている内容は異なります。読むことが難しい子、計算が難しい子、算数や数学そのものが極端に難しく感じられる子など、つまずき方は一人ひとり違います。

そのため、「算数ができない」という結果だけを見て、本人の努力や意欲の問題と決めつけるのではなく、何が特に難しいのかを見ていくことが大切になります。

早い段階で特性を知るという考え方

きゅうご先生は、できるだけ早い時期、算数の学習が本格的に始まる前から、子どもの特性が分かっていれば、それに応じた学び方を考えやすくなるのではないかと話しています。

学校では、必要に応じて検査を受けるよう案内されることもあります。検査によって学びにくさの特徴が分かれば、その子に合った学び方を考える手がかりになります。ただし、きゅうご先生が伝えているのは、苦手な部分を確認するだけではありません。

得意なことを見つけ、その得意な部分で苦手な部分を補っていくという考え方もあります。すべての苦手を同じように伸ばすことだけを目標にするのではなく、伸ばしやすいところを伸ばし、難しいところには別の方法や周囲のサポートを使う。そのような見方が、子どもの学びを支える可能性があります。

不登校と算数・数学の学びを切り離さない

学校に行かない時間を、学び直しの時間にする

不登校の子どもは、学校に行っていない時間があります。その時間を何に使うのか、どのように学びを得るのかを考える必要があると、きゅうご先生は語っています。

ここでいう学びは、学校の授業をそのまま再現することだけではありません。算数や数学を軸にしながら、お金の扱い方、仕事の仕組み、自分の好きなことや得意なことを知ることも学びの一部になります。

算数や数学が苦手な子どもにとって、「数」は学校のテストだけに登場するものではありません。お金も数であり、日常生活や仕事と関係しています。だからこそ、計算問題だけを繰り返すのではなく、数をどのように扱うのか、必要なときにどのようなサポートを受けるのかを考えることも、学びにつながります。

苦手さがあっても、将来の道が一つになるわけではない

きゅうご先生は、算数障害があっても、いわゆる偏差値の高い大学に進んでいる人がいることや、数学が苦手でも、受験で数学の影響が大きくない大学を選ぶ道があることを話しています。また、社会で活躍している人もいると語っています。

この話が示しているのは、算数・数学の苦手さだけで、その人の将来全体が決まるわけではないということです。苦手な部分を把握し、必要な支援や工夫を使いながら、自分の得意なことを生かせる進路を考えていく。そのためには、子ども本人だけでなく、保護者や先生が特性を理解することも必要になります。

算数・数学とお金、仕事をつなげて考える

「勉強して進学する」以外の道も視野に入れる

きゅうご先生は、これまでのように、全員が一流大学へ進み、一流企業に入ることだけを成功とする考え方ではなく、自分の道を自分で選ぶことが大切になってきていると話しています。

好きなことや得意なことを生かして、自分で仕事を始める。起業する。一つの仕事だけでなく、複数の仕事から収入を得る。そうした道もあるということです。

もちろん、子どもにすぐ起業を勧めるという話ではありません。まずは、自分は何が好きなのか、何が得意なのか、どんなことなら続けられそうなのかを知ること。そのうえで、算数や数学、お金、仕事がどのようにつながっているのかを少しずつ学ぶという考え方です。

小さな体験から、社会との接点をつくる

ライブでは、アメリカの学校で行われている例として、PTAバザーで子ども自身が店を出し、実際に物を売る体験についても語られました。計画と実際の結果を比べ、利益がどのくらい出たのか、次は値段や売り方をどう改善するのかを考えるという内容です。

このような体験では、計算だけでなく、計画、説明、相手とのやり取り、結果の振り返りなど、複数の学びを使います。きゅうご先生は、学校で学んだことを実際の活動の中で複合的に使うことで、社会に出る前の準備にもなると話しています。

日本でも、算数や数学の学習に加えて、お金や仕事について考える機会を小学生・中学生の段階から持つことが、今後さらに重要になるという見通しを示しています。

保護者が子どもを見るときに大切にしたい視点

子どもが算数でつまずいたとき、まず確認したいのは「どこができないか」だけではありません。数字の読み書きなのか、計算の手順なのか、文章題の意味をつかむことなのか、それとも数学全体への苦手意識なのか。困っている場所が違えば、考える学び方も変わります。

また、苦手な部分だけに注目すると、子どもが自分を否定的に捉えてしまうことがあります。きゅうご先生は、特性を知り、受け入れながら、得意な部分を生かし、苦手な部分を補っていくことの大切さを語っています。

保護者がすぐに答えを出す必要はありません。子どもの様子を見ながら、学校の先生や必要な支援につなげ、本人が学びやすい方法を探していくことが出発点になります。

きゅうご先生が届けようとしている学び

きゅうご先生は、算数・数学を軸に、不登校、発達障害、学習障害、算数障害、そして社会に出て自分らしく生きることについて発信していくと話しています。2025年には、オンラインでも取り組める内容を始める予定であることも語られました。

不登校の背景も、算数・数学のつまずき方も、子どもによって異なります。だからこそ、決まった進路や一つの学び方に当てはめるのではなく、その子の特性、得意なこと、必要なサポートを見ながら、学びの形をつくっていくことが大切です。

算数が苦手だからといって、将来の可能性まで狭くなるわけではありません。何が難しいのかを知り、何が得意なのかを見つけ、必要な方法で補っていく。算数・数学を学び直すことは、計算の力だけでなく、自分に合った生き方や働き方を考えるきっかけにもなります。


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